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本質を探しに

 

サンディエゴより

リッチゆかりです。

 

先日の旅で

滞在中に使っていた机です。

 

ここでどうしても

読み始めたい本があって。

 

 「今」読まなくては・・

心がゆさぶられた

 

その本は、

 

市井ものの創始者

といわれる

山本周五郎。

 

 

帯に書かれた大文字が

ズシリと応える。

 

生きることは

苦しみか、

希望か。

 

 

 

才気煥発な栄二

少し鈍いが

まっすぐに生きるさぶ

 

ある日、

栄二は身に覚えのない

盗みを咎められ

身も心も

痛めつけられ

すべてが信じられなくなり

嫌になってしまう。

 

そんな栄二には

理屈抜きで

見守ってくれる人たちが

いる。

 

ある時

その中のひとりの侍が

栄二を諭す。

 

 

心をしずめて息を吸えば

花の香りが匂うだろう、

 

心をしずめて自分の

運不運を

よく考えるんだな。

 

と。

 

 

・・時を経て

栄二は大けがをすることで

開眼する。

 

 

命をあきらめかけるほどの

恐怖と痛みのあとに

見えたものは

かけがえのない

人の温かさだった。

 

そう心で感じられたとき

 

隙間風の冷たさや

胴震いを味わう自分に

出会えた。

 

 

こいつはおれの心の中で

生まれたんだ、

これは大事なことなんだ。

 

そこから

思考がシフトしていく。

 

心穏やかに

待ってくれる人がいる。

 

いいところ

悪いところ

ひっくるめて

大切に想ってくれる人がいる。

 

いつの時か

自分を痛めつけた人たちへの

気持ちが変化していく。

 

そして

事の真相が明らかになったとき

栄二の心は

すっかり洗われる。

 

取りつかれていた

怒りや憎しみから

解放される。

 

 

起こった不運に感謝すら

する。

 

 

痛い思いをした。

 

底知れず

さみしさを味わった。

 

すべてが

過去になった。

 

 

栄二からの声が

聞こえたような気がした。

 

 

おまえさんの人生も

捨てたもんじゃぁ、

ねえぜ。

 

 

生きることは

希望なんだ。

 

 

デュアルライフ、本日も続行中。

今日もしあわせ。

また、おはなししましょ。